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部活動紹介 ~野球部~

「見えない教育」日出学園野球部監督の大山雄一郎先生のお話を伺って、もっとも印象に残った言葉でした。

大会への出場、練習試合、日々の練習はもちろんですが、中学生から体育倉庫の掃除をし、高校野球部部員たちは不定期で「朝そうじ」の活動も欠かしません。今回、地域ボランティアにもがんばる野球部部員の様子や大山先生のお話をご紹介いたします。

部員たちの間で通称「朝そうじ」と呼ばれているのは、月に何度か正門から菅野駅そして再び正門までの小中高通学路周辺を生徒が登校してくる最中、体操服姿で清掃する活動です。地域の皆様へのボランティア活動の気持ちから始まったのかと思いきや、朝掃除のきっかけは意外な理由からだったそうです。

 かれこれ10年ほど前、部員たちが練習するグラウンドにごみが落ちていたそうです。しかし、誰一人として、ごみを拾おうとする部員はいなかったそうです。みんな「そのうち誰かが拾うだろう、別に僕が拾わなくても…」と。当然、部室も汚れ放題。大山監督から、片付けなさいとひとこと注意するのは簡単なことですが、それで根本的な解決になるのだろうか?と思ったそうです。後日、部員たちとの話し合いの中で、地域の清掃活動を始めてみてはどうか?との案が出て、それが今に続く「朝そうじ」のスタートでした。

 きれいな環境で野球ができるようになったというのは当然の結果ですが、部員がチームで「朝そうじ」をすることには、他の狙いもあったそうです。実は、大山監督の「見えない教育」の一つで、「朝そうじ」をすることで、ひとりひとりが得意な事、苦手な事をそれぞれ理解したうえで行動し、野球部のチームづくりを通して、部員個々の人としての形成につながるのでは、との事でした。

 また、練習試合の相手も、関東の野球強豪校や、障害のある生徒が通う学校、自衛官を育成する学校など様々です。練習試合から帰ると、部員の家庭の食卓では、野球の話題以外の話が数多く上がるそうです。

「勉強が大変なので野球の練習時間がとても短いのに、こんなに強いってどういうこと?」

「応援に来ていたお父さんやお母さんが手話で校歌を歌っていた」

「生徒はみんな寮での生活で、厳しい規律の中で野球もやっている」

野球が好きで野球をやっている同年代の学生なのに、いろいろな環境があるという事を肌で感じてくるようです。

 現在、高校野球部は、春の大会に向けて、自主的に朝練でのトレーニングを積んでいるようです。

 取材のため、お時間を作っていただきました大山先生、照れながら「朝そうじ」の様子を取材させてくれた部員のみなさん、ありがとうございました。

 ところで、大山監督、今の野球部はどうなのですか?との質問に、「それは、実際にご覧ください」とのことです。