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小学校 手話教室

日出学園小学校では、総合学習の一環として、小学校3・4年生を対象とした手話教室が毎年行われています。今年は11月5日(火)から11月8日(金)の4日間で実施され、その最終日の様子を取材してまいりました。また、手話教室講師の前原信子先生に質問にお答えいただきましたので、併せてご紹介いたします。

 

手話教室で初めて手話を学ぶ3年生。手話とは何かというところから学び、自分の名前や挨拶などの身近な事柄の手話を覚えていきます。昨年に続き手話教室は2度目になる4年生たちは、昨年学んだ内容を思い出しながら、さらにさまざまな新しい手話を覚え、表現を増やしていきます。

 

4日間の活動では、イヤーマフで音を遮って聞こえない体験をしたり、自らも聴覚障がいをお持ちの前原先生がご自身の体験を話してくださる中で、子どもたちはさまざまなことを感じ、考え、手話に関する学びを深めていきました。手話教室最終日のこの日は3、4年生の合同授業で、手話教室のまとめとして『小さな世界』を手話を交えて歌います。
すでに歌詞の手話を覚えてきた4年生が、3年生に教えます。まず4年生がお手本を見せてくれました。
その後、ペアに分かれ、歌詞の手話をひとつずつ確認しながら教えていきます。兄弟学年として日頃から交流してきた4年生と3年生。息はぴったりで、和やかながらもとても真剣な様子で練習していました。


いよいよ全員で『小さな世界』を歌います。歌詞が伝わるように、丁寧に、心をこめて手話で表現していました。
前原先生のご提案で『手をつなごう』のところでは実際に隣の人と手を繋ぎ、皆がひとつの大きな輪となりました。皆で気持ちをひとつにして、楽しく歌うことができました。

 

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取材に先立ちまして、講師の前原信子先生に質問にお答えいただきました。
写真中央が前原先生、「I love you.」の手話をしてくださいました。

 

Q1、日出学園小学校の手話教室で講師を始められたのは、いつからですか?またその経緯をお聞かせください。
約20年前に5・6年生の心を育てるため、当時の5年担任だった田代先生から依頼がありました。ひので会の手話サークルの手伝いもあり、総合学習として2時間だけの指導で始まりました。
Q 2、日出学園小学校の児童の印象を教えてください。
素直で全体的に良い印象です。自分の意見はしっかり言えます。また4年生は3年生に丁寧に教えていて心嬉しく見ています。
Q3、手話教室で最も大事にされていることを教えてください。
『障がい』への理解と、互いに思いやる気持ちを育むことです。授業の中で、「同じクラスのお友達の中に、片足が不自由な子がいるとします。そのお友達と一緒にドッジボールをするとしたらどうしますか?」と、子どもたちに聞いてみます。子どもたちは、「どんな助けが必要か」「自分に何ができるのか」を真剣に考えてくれました。この授業では、障がいは関係なく、みんな同じなのだと考える機会となりました。
また、指導時には児童と目線を合わせることも大事だと考えています。いつも、日出学園小学校の3・4年生は目を輝かせて一生懸命に、手話教室に取り組んでくれます。私は、その学習に対する姿勢に感動しています。

 

質問にお答えいただきました前原先生、また担当していただいた廣嶋先生、ありがとうございました。

 

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手話教室では意欲的に新しい手話を覚え、自分の思いを相手に伝えようと頑張った子どもたち。伝える手段を多く持てば、より多くの人とコミュニケーションをとることができ、自分の世界が広がることに気づきました。また、異なる立場の人を思いやることの大切さにも気づく、貴重な体験となったことと思います。
子どもたちが楽しく手話を学べるよう4日間ご指導くださった講師の先生方、取材にご協力いただきました先生方、3・4年生の皆さん、ありがとうございました。