日出学園小学校では３年生から情報の授業が始まります。ICT化が進む現代社会の中で、小学生はどのような事を学んでいくといいのでしょうか？
図書室の一角にあるメディアルームで行われている情報の授業を取材し、担当されている澤瀬先生に詳しくお話を伺いました。
Q.日出学園小学校で学べる情報科授業の特色を教えてください。
A.一般的に小学校では、情報という教科はもちろんのことカリキュラムすらありません。そのため、文科省が推進しているGIGAスクール構想が浸透しているとは言え、他校ではハード面が整っていても現場では担任や学年任せとなっていると聞いています。
しかし、日出学園小学校では、1999年から開始された情報の授業（当時は「コンピュータ」）でのノウハウを活かしたカリキュラム、それぞれの学年で学ぶべきことを系統だてた授業計画、専門の教員が授業を行っているため、タイピングや情報リテラシーなどを無理なく身に付けることができます。
また、最近では、多教科に渡りICTを活用した授業が行われているので、新しいアプリやサイトを実際に授業で使う前に、情報の時間に予め使えるようにすることでスムーズに授業が展開できるのも強みです。
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３年生の授業では、この日初めて『Googleドキュメント』を使って文字の入力について学習する日でした。まずはデスクトップ画面からドキュメントを探して開き、文字を打ち込む「無題のドキュメント」を選び、カーソルのある場所を確認していよいよ作業開始です。
タイピング練習アプリの『キーボー島』で慣れてきた子どもたちは、先生が用意した「モチモチの木」の一文を見本通りに入力していきます。
途中で改行する際のエンターキーの打ち方や記号の打ち方も教わりました。
このように授業では細かく丁寧に操作を教わっていき、わからない事は皆すぐに先生に質問していました。
Q.３年生で初めて情報の授業に触れる子どもたちの理解度や興味を引き出すために授業で工夫していることはありますか。
A.３年生は初めての情報の授業、新しいクロームブックなど、引き出さなくても興味関心が多くあります。その点は、他教科に比べると授業のやりやすさはあります。
情報では、その興味関心を持続させるために、学年が上がるにつれて活動やタスクの難度を上げたり、新しいアプリや教材を取り入れたりしています。
Q.どのようなことを意識して情報の授業を学ぶとよいですか。また、小学校から情報を学ぶメリットを教えてください。
A.情報化社会という言葉の通り、世の中は情報にあふれています。そこで生きていくには、情報をうまく処理していく能力が必要となります。そのために情報の授業では、自分の必要な情報を取捨選択し、活用し、発信する力をつけさせたいと考え授業を展開しています。
また、世間の情報に関するニュースなどを取り上げ、気をつけたい事柄をかみ砕いて伝えることで、デジタルリテラシーを育てていきます。
こうした学習を小学生から行うことで、中学高校で無理なく情報機器を扱えたり、モラルを学ぶことで、早くから善悪の判断がつけられ、危険を回避できるようになります。
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授業の後半ではタイピングの速度を意識して、文章を３分で打つ練習を行いました。速い人は20秒で打ち終わります。終わった人から手を挙げていきます。このようにしてタイピングのスピードもどんどん上がっていくようです。
Q.保護者の大半は、情報科の授業を学生時代に学んでおりません。家庭ではどのようにフォローするのがよろしいでしょうか
A.今の子は、幼いころからデジタル機器に触れていますので、新しい端末のクロームブックを触っても、すぐ操作に慣れます。保護者が教えてあげなくても操作は感覚的にも身に付けられると思います。ただ、アプリが正常に動作しなくなった時、Wi-Fi環境など、トラブルが生じた時の対処に関しては不慣れかと思いますので、その際は、見てあげていただきたいと思います。
また、各種課題がモノグサやロイロノートで今後も配信されていきます。初めのうちは、一緒について見てあげられると、お子さまにとっても保護者にとってもプラスになると思います。
来年度からは、保護者向けのロイロノートなどの体験会開催を検討しております。体験していただくことで、お子さまがどのようなICTを使い学習しているのかを知ることができます。フォローする際の参考にされてはいかがでしょうか。
授業中、お互い相談しながら授業を受けている姿がたくさんみられ、タイピングが得意な子は周りのお友達を助けてあげている姿もありました。
子どもたちはデジタル社会において必要な基礎的なスキルを、小学校４年間、日出学園独自のカリキュラムで無理なく身につけ、情報を安全かつ有効に活用できるようになるでしょう。
保護者向けにも体験会が開催される予定との嬉しいお話もありましたので、参加されてみてはいかがでしょうか。
取材にご協力いただきました、澤瀬先生、3年生の皆さん、ありがとうございました。