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養護教諭の野口先生にお話を伺いました。

日出学園の養護教諭となられて17年の養護教諭の野口先生にお話を伺いました。

保健室は急病人への手当てが第一ですので、先生には事前にお願いしたアンケートで回答を頂きました。

1.保健室ではどのようなお仕事をされていますか?

体調不良の生徒のお世話、ケガ人の手当て、生徒からの相談、休憩時間にくる生徒の対応、保健だより等の健康情報を発信するための情報収集、保健委員会の指導、教職員の健康管理、事務的な仕事等々です。

2.保健室以外でのお仕事を教えて下さい。

オリエンテーション合宿、臨海学校、修学旅行等の宿泊行事への同行などです。

3.保健室を利用する人はどのくらいですか?

平均すると1日10~15名。多い日は20名くらいのときもあります。

しかし、この人数は保健室にある来室カードを記録した生徒の数なので、付き添いや休み時間の来室を入れると1日25~30人位は来ています。

4.保健室にくる生徒は、どんな症状で来室してきますか?

様々ですが、最近多いのは睡眠不足や寒暖差などによる体調不良や、冷えや精神的なものによる腹痛、片頭痛などが多いです。体育の授業時の突き指、捻挫、打撲、擦り傷などのケガも多く、中学生は休み時間のケガも多く見られます。健康についての相談、ちょっとした休憩、気分転換や、爪切りや、ボタン付けなど制服の補修を頼みに来る生徒も結構います。

5.利用者が一番増えるのは、いつ頃ですか?

発熱などの体調不良が増えるのは、インフルエンザが流行する冬の時期ですが、一概にそうとは言えません。心と身体はつながっていますので、クラス替えなど新しい環境になった4月5月も、精神的な疲労や、季節の変わり目での体調不良者が多く見られます。学園祭等の大きな行事の前は、集団行動ならではの意見の食い違いや、張り切りすぎ等で疲労し、体調を崩す生徒も多く来室します。

6.年々暑さが増している夏ですが、日出学園でも熱中症にかかった生徒は多かったのでしょうか?

今年は6月に急に暑くなったため、身体が暑さに慣れずに熱中症を起こす生徒が多かったと思います。しかし、暑さが年々増すのと同様に、熱中症に対する情報も増え、生徒一人一人が知識や対策を理解できるようになって来ているのも事実です。そのため、症状が軽度で済んだり、周りの生徒同士で注意し合ったり、お世話をしている姿も多く目にしました。毎年暑くなるシーズンの前に、部活動の顧問の先生が、熱中症について生徒に指導して下さっている部活もあり、助かっています。

7.養護のお仕事の際に、特に心掛けていらっしゃる事はありますか?

この仕事に限らずですが、私たちの仕事は、相手とコミュニケーションを取ることが第一だと思っています。コミュニケーションと言えば、まず「会話」です。一度に大勢の生徒が来室してできない時もありますが、基本的には、話を聞くときは手を止めて、相手の気持ちにできるだけ添わせる、合わせることを心がけています。

 

8.健康に関してアドバイスをいただけましたら助かります。

中高生のこの時期は、大人になり社会に出るための訓練、練習の場だと思います。

便利な世の中にはなりましたが、この時期にしかできない様々な事を「見る、聞く、話す、触る、感じる」の五感をフルに使って体験してほしいです。失敗してもそれがまた経験になります。そして、体験する際は、ぜひ笑顔を忘れずに!そうすれば、笑顔で免疫力はUP! 日々の充実感で体調不良になっている場合ではなくなるので、心身ともに健康でいられるのではないでしょうか。

養護教諭に求められる新しい役割や多様化を求められる保健室のありかたなど、近年、養護教論の先生方のお仕事の内容は多岐にわたります。

生徒の心身の状況を常に把握し、カウンセラー的な役割、怪我や病気の際の救急処置、保健指導、健康診断の管理、担任の先生や保護者と連携を取ることなど、私達が目にしている保健室の先生のお仕事以外にもたくさんの業務があります。

そんな中、生徒に寄り添った丁寧なコミュニケーションをとられている姿勢に頭が下がりました。

私たち親にとって、未来に向かう子供達はいつでも元気な存在と思いがちですが、「心と身体はつながっている。」という先生のお話を伺って、私たち保護者も心に留めながら子供達を見守っていきたいと思いました。

野口先生、お忙しい中ご協力頂き、ありがとうございました。