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小学校 芸術鑑賞会

2019年11月21日(木)、アリーナにて小学校の芸術鑑賞会が行われました。

ひので会の後援をいただき、今年度はオペレッタ劇団ともしびの皆様による「トラの恩がえし」を鑑賞しました。

アリーナに設置された舞台を見て、子供たちは開演前から期待に胸を膨らませているようでした。静かに上演を待ちながらも、笑みがこぼれる姿が見られました。

トラと人間、敵同士の間柄を超えた友情の物語として、朝鮮半島の子供たちに今も語り継がれているという民話「トラの恩がえし」。

その昔人間はトラの皮を宝物として珍重し、一方トラは人間を襲うためにお互いに憎みあっていました。ある時山奥に母親と住む貧しい木こりの若者が、怪我をして苦しむトラを見つけて「トラも人間も同じ命」とトラを助けてやりました。

いよいよ舞台が始まると、きれいな衣装や音楽に子供たちは夢中になっているようでした。豪快なトラが時折見せるコミカルな演技に笑いも起きていました。

思いがけず命を助けてもらったトラは、木こりの親子に人知れず恩返しを始めるのでした。こっそり木を運んだり、泥棒にさらわれた都の大臣の娘を格闘の上助け出し、木こりのお嫁さんにと奮闘するのでした。

木を売ることで親子の暮らしも良くなっていき、木こりと娘も互いに惹かれあっていきました。身分の違いで結婚をためらっていたところ、泥棒に奪われてしまった大臣の家宝をトラが取り返し、木こりに託すのでした。

トラと泥棒のやり取りではハラハラする場面も。「危ない!後ろ後ろ!」静かに見ていた子供たちも思わず声が出ていました。

都では、さらわれた娘の身を案じながら祈り暮らす大臣がおりました。

春になって宝剣を携えて都にやってきた娘と木こりは、またもトラの機転に助けられ、大臣に結婚を許されます。都で皆で幸せに暮らす木こりでしたが、今までのこと全てがトラのおかげだったことを母から知らされ、深く感謝するのでした。

トラが舞台を飛び出し子供たちのそばを駆け抜ける場面では、あまりの迫力に身動きができなかったり必死に目で追ったり、トラの様子に釘付けになっていました。

トラの最後の恩がえし、それは自分の寿命を知るトラが明日の昼三つの鐘が鳴り終わる頃に、木こりがトラを銃で撃ち殺し毛皮をはいで、その褒美を王様からもらって欲しいというもの。

「友達」を撃つことはできないと拒む木こりでしたが、トラは「友達」になれた喜びを胸に最期の時を迎えるのでした。木こりは故郷の山にトラを弔い、いつまでも感謝と友情を忘れずに暮らしました。

直前まで笑顔を見せていた子供たちも、トラが最期を迎える場面では皆息を飲んで真剣な表情になっていました。

終演後には、伝統芸の「サンモ」と「ボナ回し」を披露してくださいました。素晴らしい演技に子どもたちからは「凄い!やってみたい!」という声があがりました。

いつものアリーナが迫力満点の劇場になり、最後まで劇団ともしびの皆様の歌声やお芝居、素晴らしい演奏に釘付けになりました。子供たちだけではなく保護者の方々にとっても楽しく貴重な体験になったことと思います。

取材にご協力頂きました皆様に感謝申し上げます。