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日出学園の防災に対する取り組みを聞いてまいりました。

災害の多い日本において、防災に対する取り組みについての意識がますます高まる中、日出学園の災害への備えや備蓄品について、学園業務部マネージャーの児玉さんにお話を伺いました。

Q.防災用品の種類と、備蓄数を教えてください。

 備蓄用品は小中高同じですが、幼稚園は別に用意しています。備蓄倉庫は4箇所あります。

【 中高校舎1階横 】

ポリタンク:大9個、小5個

寸胴鍋:10台

【 大グラウンドの倉庫 】

器、フォーク付きスプーン:2,000個

圧縮毛布、サバイバルシート:各1,000枚

安全キャンドル:100個

詰替え用ろうそく:200本

懐中電灯・ラジオ:各50個

【 アリーナ2の教員室奥 】

食料:入学時に1人1セット、アレルギー対応の非常食(3食3日分、保存期間7年)を準備しており、卒業・卒園時にお持ち帰りいただきます。

以前ひので会の取材を受けた際、「アレルギーのある子供が増えており、そういった子も食べられる非常食にして欲しい」との要望を受け、3年前に一人ひとりに配慮された非常食に替えました。内容は、米粉クッキー、ピラフ、トマトリゾット、わかめご飯、五目ご飯など。

【 昇降口横、1年生教室前 】

非常災害用飲料水(保存期間5年間):3,600本

他に4飲料用として外部に受水槽もあり、上水を常時18000L確保しています。これは1日1人3Lとして、2000人が3日間過ごせる量です。

【 業務部手前の駐車場奥 】

井戸水:最後の手段として井戸水を確保しており、地下130mより採水しています。水質検査を毎年実施しており、飲料水として利用可です。万一、電気が止まっても、汲み上げ対応する自家発電機も準備しています。

【 井戸水ポンプの奥 】

灯油で発電できる発電機:発電機は水汲み上げだけでなく、小中高の校舎1階部分に給電できる機能を備えており、トイレの洗浄、サーバールーム電源確保(インターネット通信機能確保)に対応できます。

その他、救急箱が各保健室、警備室にあります。ヘルメット・防災頭巾は、園児・児童・生徒・教職員全員分を用意しています。

Q.この場所に校舎が移ってから、今までに災害はありましたか?

東日本大震災がありました。

その際、校舎自体は震度7まで耐えられる耐震構造となっているので特に影響を受けず、電気・水も止まりませんでした。生徒、職員250名ほどが帰宅困難になり、毛布など配布して一夜を過ごしました。この時、担任が生徒を把握できるように宿泊場所は教室でした。宿泊した方がいる一方、ご両親が頑張って夜中の3時に迎えに来た生徒さんもいらっしゃいました。3月だったので小学生は既に帰宅していましたが、中高の部活をしていた生徒がいたりしました。近所のマルエツで食べ物を調達したりもしました。

Q.兄弟は一緒に避難できるのですか?

年に1回、幼稚園〜高校で避難訓練を行っており、兄弟がいる生徒は集めて確認しています。日出学園には約1600人の生徒が在籍していますが、約160世帯が兄弟で通われています。

Q.豪雨などでの水害が起こった場合の対応について教えてください。

グラウンドが大きな枡の構造になっており、豪雨などの際、排水路に流れ込む量を抑制し、周辺道路での冠水等を防ぐ機能を有しています。また、校舎は外周道路よりも高くなっています。川の氾濫等で万が一水が流れ込んできた場合は、2階以上の階に避難します。

Q.防災用品の管理はどのようにされていますか?

非常食については、毎年、園児・児童・生徒が入れ替わる卒業・入学時に在庫管理を行います。

Q.学園の防災対策をソフト面ハード面から教えて下さい。

★ 施設・設備面

各校及び学園業務部に停電対応の災害時優先電話(各代表番号、計4回線)を設置しています。発電機を稼働することにより、安否情報発信対応ができるようになっています。

★ 安否確認

揺れが収まり次第、安全な場所(グラウンド等)へ一時的に避難し、各校(園)クラス単位で安否確認を行ったあと、弟妹のいる中高生は弟妹と集合します。中高生は、交通機関の復旧と安全が確認でき次第帰宅させますが、園児・児童については保護者の方の引き取りを前提としています。

★ 安否情報の発信

インターネット回線が直接的な被害を受けていない限り、安否確認を行い、学園ホームページ及びTwitterに安否情報を掲載します。

また、ニッポン放送(AM1242もしくはFM93)にて学校安否情報を放送する契約もしています(毎年9月1日防災の日に試験放送を実施)。この放送は、パソコンやスマートフォンで「radiko」というアプリでも聞くことができます。

★ 安心・安全な学園生活のために

日出学園では、園児・児童・生徒の皆さんが日々安心して学園生活を過ごせるように、万が一の災害に備えた準備を行うだけでなく、毎年、学園全体や各校・園単位でも避難訓練を行っています。

さらに、災害以外の危機管理として、警備員の常駐及び巡回を行っています。登下校時以外は常に施錠を行い、園児・児童・生徒以外の方が敷地内に入る際には入校証対応により不審者の侵入を抑止しています。この他、心室細動(心臓のけいれん)への対応として、AEDを各校・園に1台ずつ設置し、定期的な講習の実施も行っています。

 

〜取材させて頂いて〜

日出学園の防災への取り組みを実際に見た事で、生徒が常日頃から教職員の皆様に支えられ、万が一災害起きた時でも万全に備えられている事が実感でき、安心して子供たちを預けられる環境、設備と備蓄があることを再確認いたしました。

お忙しい中、快く取材に協力してくださり、詳しく質問に回答して頂いた児玉さん、本当にありがとうございました。