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中高 武善先生、南極へ。

この度、中高で、情報の授業をされている武善紀之先生が、第63次南極地域観測隊同行者に選ばれました。情報科の高等学校教員としては初めてだそうです。11月に南極へ向けて出発する武善先生に、いろいろアンケートにお答え頂きました。

※南極地域観測隊では、第51次隊より、全国の小中高等学校の教員が南極地域観測隊に同行し、南極の昭和基地と国内を衛星回線で結び、所属校や一般に向けて授業を行い、その授業や帰国後の講演などを通じて、南極観測の意義や魅力を次世代を担う子供達へ届ける「教員南極派遣プログラム」が実施されています。

 

Q.武善先生の略歴をお願いします。

千葉県生まれの千葉県育ち。筑波大学情報学群情報メディア創成学類を卒業しました。

2014年より、当学園で、数学・情報・探究等の授業を担当。そして、パソコン部の顧問をしています。教員免許(情報・数学・社会・技術)の他に、認定心理士の資格を持っています。

Q.なぜ、応募しようと思ったのですか?

幼少期からずっとペンギンが好きで、野生のペンギンに会いたいとずっと思っていました(メディアルームにもたくさんペンギンがいます)。趣味で毎年、『ペンギン会議全国大会』に参加しており、その中で過去の観測隊員から「教員の方には教員南極派遣制度がある」と聞きました。学校に応募書類が届き次第、その年のうちに応募しました。

 Q.南極選考の倍率は、どのぐらいなのでしょうか?

僕の年は、26名応募→2名なので、13倍でした。

Q.選考の手応え&決まった時の気持ちはどうでしたか?

選考は、1次が書類選考。2次が面接試験でした。

面接は30分間あり、書類選考で提出した授業案について、10分程度プレゼンし、その後20分間で質問を受けます。面接官は過去の隊長副隊長経験者の方々ばかりで、ずっと緊張していました。ただ、手応えはあったので、候補者決定通知をもらう頃には、これから先の展開に、ずっとワクワクしていました。

Q.生徒の反応はどうでしたか?

どのクラスで発表した時も、第一声は「えぇぇぇ?!」でした。

文部科学省の南極観測隊名簿に名前と学校が載っているのを見せると、他の方々の錚々たる顔ぶれと比較してか、「なんか混ざってる!」とよく笑ってくれました。続いて、「先生、体力持つの?」と本気で心配されました。

「ペンギンの写真撮ってきてね!」も、たくさん言われます。

Q.南極では、どんな授業をする予定ですか?

過去の教員派遣のメンバーも多くが理科の教員で、情報科の教員は私が初めてです。その為、情報科に絡めた内容を扱いたいと思っています。南極観測隊は、技術・技術者の結晶で、最先端の情報技術の宝庫です。情報科は、実際に手を動かして学ぶ科目です。観測隊と生徒達を結びつけるためにも、生徒達には授業で環境計測器を作ってもらい、僕がそれを南極に持っていって動かし、日本にデータを送って、分析をしてもらおうと考えています。南極授業そのものの中では、日本と南極を繋ぐネットワークを題材に授業を作る予定です。

コロナ禍で培ったオンライン授業のノウハウを活かして、生徒達にとっても有意義な南極授業が出来るように頑張ります。

Q.南極に向けての準備について教えてください。

◆ 持っていきたいもの

 ・生徒と作った機材(micro:bitによる気象計測器)

 ・撮影機材。一眼レフ、ドローン、アクションカメラ、ハンディカムを揃えました。 

 ・ペンギンのぬいぐるみ

  (荷物の隙間に詰め込まれていきそうですね!)

 ・毎日飲むカルピス。業務用で6ℓ持っていきます。

  (これだけで、ダンボール1箱埋まるのでは?) 

 ・80日以上船に乗るので、お気に入りの枕。

  (しっかり睡眠を取るには、絶対必要ですね!!)

持っていけないもの

 ・生き物。南極条約で禁止されています。

  (飼っているメダカの預け先募集中!)

 ・楽器やバイク。私物の持ち込み制限があります。

◆ 絶対に必要なもの

 ・パソコン。南極授業のコンテンツ作り&実施の僕の仕事には欠かせません。

 ・薬。現地では何があっても買うことが出来ません。目薬だけでも、50本ぐらい持参します。

 ・熱意!!

※私物の持ち込みは、全部でダンボール5箱までだそうです。ダンボールの大きさにもよりますが、持っていくものを必要最低限に選択することは、とても難しいですね。

Q.出発を約2カ月後に控えて、今のお気持ち(期待、不安等)を教えてください。

正直、まだまだ実感が湧きません。一度見送りになったこともあり、本当に行けるのか?と不安に感じる時のほうが多いです。それでも、装備品を揃えたり、日々メールボックスに隊員の方々とのやり取りが増えていったりする度に、僕も南極へ行くんだ!!とワクワクした思いが湧いてきます。

 

武善先生、お忙しい中、アンケートにご協力頂き、ありがとうございました。

本当は、1年前に参加する予定が、コロナの影響で中止になり、一度は諦めたそうです。でも、昨年、再度決定通知があり、2度目の観測隊に参加する為の冬期総合訓練を受けられ、完遂し、無事教員派遣者に選ばれました。

南極には、もちろんコロナウイルスの持ち込みは出来ないとのことで、2週間の隔離徹底と複数回のPCR検査が必要だとか。先生が、無事、出発されることを学園全員、願っております。

3学期には、南極から回線を繋いだ特別授業が予定されています。今から、生徒達も他の先生方もワクワクしていることでしょう。武善先生の貴重な体験から、生徒達がどんなことを学ぶのか楽しみですね。

お体には、気をつけて。

武善先生、いってらっしゃい!!