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中高 相談室・保健室の先生方にお話を聞いてきました。

中高の生徒達は、人間関係や進路等、様々なことで悩み、ストレスを感じる年齢です。しかも、今はコロナ禍。普段とは違う日常を過ごしています。

今回、そんな生徒達に寄り添って下さる相談室、保健室の先生方を取材させて頂きました。

保護者は、なかなか入らない部屋ですし、どんな先生がいらっしゃるのか、お会いする機会もないと思いましたので、ご紹介させて頂きます。

 

~ 相談室 ~

 小学校棟の1階にあります。

相談室の2人の先生をご紹介します。

【 渡邉馨先生 】

【 砂谷有里先生 】

◎日出学園スクールカウンセラーになったいきさつを教えて下さい。

≪ 渡邉SC ≫

臨床心理士資格認定協会が私立学校にスクールカウンセラーを配置する助成金と推薦するスクールカウンセラーの制度があり、応募したところ、千葉県臨床心理師会の推薦を受けて日出学園スクールカウンセラーとなりました。

≪ 砂谷SC ≫

「スクールカウンセラー」は子どもの頃からの夢でした。心理の資格をとり、最初は公立の小中学校でスクールカウンセラーをしていたのですが、制度上、1校あたりの勤務日数は年間35日でした。週に1回以下の勤務では生徒さんとも保護者の方とも充分に関わることができないというもどかしさを感じていた時に、日出学園がスクールカウンセラーを募集していることを知りました。週に複数回勤務できること、幼稚園、小学校、中高という様々な年齢の子どもたちと関わることができることに魅力を感じて応募し、日出学園のスクールカウンセラーになりました。

◎1日の利用者はどのくらいか教えてください。

 12~15人

◎どのような相談が多いですか?

 生徒からは対人関係に関すること、保護者からは子どもの問題が多いですね。

◎生徒、保護者どちらの相談が多いですか?

同じくらいです。

◎コロナ禍で大変になったことはありますか?

 相談数、相談人数とも増えました。

◎スクールカウンセラーになって嬉しかったことはありますか?

≪ 渡邉SC ≫

子どもがよりよい人生を送れるよう支援するのが仕事なので、これがうまくいったときは嬉しいです。

≪ 砂谷SC ≫

相談室に来る時というのは、何かがあって苦しい時が多いと思います。お話しをしていく中で相談に来てくれた生徒や保護者に、少しでも「気持ちが楽になった」と感じてもらえた時、とても嬉しいです。

◎中学生保護者あてにアドバイスやお伝えしたいことがありましたら、お願いします。

≪ 渡邉SC ≫

まず、お父様お母様自身の中学生の頃を思い出してください。そのときの感情、気持ちを思い出せるといいですね。次に中学生のお子さんを見てください。似ているところはありませんか?似ているところをポジティブにお子さんにお伝えいただけるといいなあ、と思います。また、似ているところは理解のポイントでもあるので、お子さんの行動の背後にある気持ちを理解するヒントにしていただければと思います。

≪ 砂谷SC ≫

私はいつも生徒さんに「一人で抱えずに誰かに相談することがとても大切」と伝えています。同じことを保護者の皆様にもお伝えしたいです。悩むことがあればどんなことでも遠慮なく相談室にご連絡ください。魔法のような解決策は出せませんが、お話をお聴きして一緒に考えていくことができます。

 

先生方お忙しい中、アンケートにお答えいただきありがとうございました。

日出学園では、何かあった時に相談にのってくれる先生が常にいてくださるという安心感がありました。実際にお部屋に入らせて頂き、先生にお会いすると、優しい雰囲気で更に安心致しました。相談内容は対人関係が多いとのお答えでしたが、身体の成長についてや、家庭の事なども相談にのって下さるようです。

中高の保護者は、思春期や反抗期で悩まれている方もいるかと思います。コロナ禍で誰かに話す機会も減ったりして、1人で悩みを抱えている方もいるかもしれません。

是非相談室を利用してみて下さい。

 

~ 保健室 ~

保健室は1階にあります。

取材は短縮授業の休み時間に行いました。取材前には、保健室を訪れる生徒に優しく声をかける先生の様子を見ることが出来ました。

保健室に入り右手には、主に怪我をした生徒の手当をするスペース。

左手には、生徒がゆっくり休息できるコーナーがあります。このコーナーは、パーテーションで仕切る事ができます。

保健室を進んでいくと、トイレと椅子に座りうつ伏せになって休息できるコーナーがありました。片頭痛等の症状がある時に利用する事が多いそうです。先生手作りの仕切りもありました。

保健室では、利用する生徒がリラックスできるよう音楽をかけているそうです。

さらに奥に進むと、ベッドが並んでいます。二酸化炭素濃度計も設置されています。二酸化炭素濃度計は、各教室にも設置されているそうです。

保健室は、窓が大きくとても風通しの良い部屋でした。

取材当日、保健室を利用する生徒は珍しく少なかったそうですが、忙しい業務の間に、優しく取材を受けて下さった2人の先生の雰囲気が保健室に溢れていて、心地よさも感じました。

保健室の2人の先生をご紹介します。

【 野口満里亜先生 】

◎どのような経緯で日出学園の養護教諭となられたか教えてください。

中学2年生冬。午後の学年集会の前に急な腹痛になり、保健室のストーブ前にて座って休んだことがありました。ケガ以外で初めて利用する保健室でしたが、養護の先生と将来のことなど様々な話をして気持ちが安らいだという経験が養護教諭を目指すきっかけです。高校時代には養護教諭を目指すと決めていたので、当時の養護の先生に進路相談に何度ものっていただきました。高校卒業後も連絡を取り合い、就職の際も学校を紹介していただきました。その時は、普通科の他にも工業科や商業科のある大規模高校に4年間勤め、縁あって今日出学園に勤務しています。

◎保健室の先生として、教科の先生とは違う、生徒への関わり方、意識されていることはありますか?

・今は新型コロナウイルス感染症の影響で難しいですが、保健室内の環境作り(家庭内の環境に近い明るいインテリアや季節ごとの飾りつけ等) をしています。

・生徒との会話の際の空気感や声のトーン、目線を、来室した生徒になるべく合わせています。

・生徒へのポジティブな声かけをしています。(その日の様子を観察し良いところをみつける)

【 保健室の用品を整理整頓する野口先生 】

◎保健室を利用する人数に傾向はありますか?  

連休明けや、月曜日は多い傾向にあります。 ゴールデンウィーク明けやイベント前後は利用者が多いです。

◎日出学園は、中学生・高校生が、体調不良や心のよりどころとして訪れると思います。中学生、高校生と関わり方に意識される事はありますか?

・中学生は、小学校からの環境の変化で体調不良になったり、不注意によるケガが多いので、病気やケガの予防法や、なぜそうなったかと一緒に考えて答えを導くようにしています。

 ・高校生は、自分の生活習慣や性格もある程度出来上ってきているので、きちんと話をすることを心がけています。その際、教員側の考えも伝えますが、最終的に自分はどう思うか、どうしたいかを選択させるよう意識しています。

◎生徒が体調不良を訴えた時、病気からくるものか?精神的なものからくるものか?を判断するポイントはありますか?家庭でも配慮できることはありますか?

・保健室以外の生徒の言動や表情など(現在は朝の登校指導の際の様子)を見て、来室時の声色や表情を比べてみます。ご家庭の場合でしたら、学校や塾、習い事等、家以外での様子を見たり聞いたりするとよいと思います。学校の中だけでも違う顔が見ることができて、驚くこともあります。

・来室カードに基本的な生活習慣のチェック項目(睡眠・食事・排便の様子)を記入させているのでそれを元に話をします。ご家庭で配慮していただけると嬉しいことの1つは、食事面です。食事内容や時間を工夫すると、午前中の眠気防止や、体力維持につながります。例えば、前日の夕食を遅くても21時前(理想は19~20時頃まで)に摂ると、翌朝に腹痛や胃痛になりづらかったり、朝食を抜くのはもちろんNGですが、朝食に炭水化物だけでなく、パワーの元になるたんぱく質系(魚や肉類、豆類)を摂ると、午前中から眠気が起きづらく集中力や体力が続くことがあります。

 ・担任や副担任、授業担当者と日頃から生徒の情報交換をし、生徒の情報を集めておきます。

 ・発熱もなく、顔色も良いが、頭痛や気持ち悪い等の症状を訴える時は、背景に何かあるのではと考えます。生活習慣など本人が話しやすい質問から話をし、話だしてくれたら、きちんと話を聞き、無理な時はまだ話す段階ではないと思い、体を休ませるため静かに休養させます。

◎最後に、保健室の先生としての『やりがい』はなんですか?

担任や、顧問の先生方と一緒にチームで生徒に働きかけ、時間をかけて生徒たちが成長していく姿をみることができた時。そういった生徒が、卒業する時です。

【 齋藤美保先生 】

◎どのような経緯で日出学園の養護教諭となられたか教えてください。

高校時代に介護施設での、ボランティア活動をきっかけに看護師を目指しました。大学に入り、看護師、保健師の資格を取得する中で、養護教諭として学校保健の領域で仕事がしたいと思うようになりました。大学卒業後、大学病院、クリニックで経験を積んだ後、縁があり、日出学園で勤めることになりました。

◎先生が学生の頃、保健室の先生との関わりの中で印象に残るエピソードはありますか?

あまり、保健室を利用しませんでしたが、授業中に貧血で倒れた事があり、保健室までおんぶで運んでもらったことがあります。

◎保健室の先生として、教科の先生とは違う、生徒への関わり方、意識されていることはありますか?

1〜6年生までの様々な学年の生徒が来室しますが、内科・外科共に共通する事は「保健室に来てよかった」と思って教室に戻ってもらえるような声掛けや関わりを心がけることです。

【 生徒の状況を担任の先生へ連絡する齋藤先生 】

◎日出学園は、中学生・高校生が、体調不良や心のよりどころとして訪れると思います。中学生、高校生と関わり方に意識される事はありますか?

中学生だから、高校生だからと意識するよりも、生徒の個別性に合わせた関わりをしています。初めて話す生徒もいますので、まず規則正しい生活ができているかなどを含め、生徒の話を聞きながら状況を見極めます。

◎生徒が体調不良を訴えた時、病気からくるものか?精神的なものからくるものか?を判断するポイントはありますか?家庭でも配慮できることはありますか?

基本的には、病気からくる体調不良を疑って話を聞いたり、測定をします。どちらの場合でも、なにより生徒の話をしっかり聞く事が大切で、上手く話せるような環境作りや聞き出し方にも気を付けています。

◎最後に、保健室の先生としての『やりがい』はなんですか?

保健室を利用後、校内で生徒に会った時に表情が良く、元気になっていると嬉しい気持ちになります。

 

忙しい業務の中、快く取材を受けてくださった、野口先生・齋藤先生。

保健室は、来室する生徒が安心して利用ができるよう様々な工夫をされていました。取材の途中で、担任の先生と連絡を取り合い、連携し生徒を見守る場面もありました。

生徒の話に耳を傾け、身体と心に寄り添うのを大切にされている事、「保健室を利用してよかった」と生徒が思えるような関わりを心がけているお二人の先生と担任の先生・顧問の先生とチームで、日出学園の生徒は成長できるのだと思いました。

 

お忙しい中、取材にご協力いただいた相談室・保健室の先生方ありがとうございました。