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中高図書室の長瀬先生にお話しを伺いました!

日出学園中高図書室館長瀬先生に、司書教諭・学校司書という名称や活動についてお話をして頂きました。

長瀬先生は、2000年に司書の資格を取得し、数年前まで、私立の中高一貫校で教員をされておられました。

2014年9月1日から現在まで、司書として日出学園の図書館に勤務されていらっしゃいます。司書教諭の資格も保有されておりますが、現在は司書という事でご従事されていらっしゃるそうです。

更に司書教諭をされていたご経験を活かして、生徒が図書館を利用したくなる真心のこもった工夫を色々してくださっております。

~長瀬先生に質問させて頂きました!~

「本を読む習慣のない生徒にはどのようなアプローチが必要でしょうか?」

「本は面白い」ということを折にふれ、様々な場面で自然に勧め、自ら読んでみようかなと思わせる事かなと思っています。

「生徒たちに読書の魅力を教えていただけますでしょうか?」

何にでもなれること。そこに居ながらにして、男になったり女になったり、宇宙や海底に行ったり、日本や世界の歴史上の人物になったり、さらに人類の過去の英知を学ぶことができること。

いじめを題材にした小説などを読めば、いじめられている子などの、弱者の気持ちを理解する事が出来たり、反対に強者の考えが分かったり、色々な立場の人の事が分かってくる。想像力を涵養するトレーニングになると思います。

「図書館の上手な利用方法を教えてください。」

図書館に足を運び、図書館に何があって何がないのかを知ること。

さらによくわからない時は、司書に質問し、その助けを借りること。この2つが重要です。

また、2020年度の入試から新たに記述形式が導入されることにより、論理力、判断力、分析力などが必要になってきます。小説だけ読んでいても難しいが、そんな時何が必要なのかというと、新書の評論文的なものを扱っている本に触れ、文章に慣れておくといいと思います。

 

「司書教論になりたい生徒にアドバイスをいただけますでしょうか。」

本や図書館が好きであるということですが、学校図書館への勤務を考える場合には、「学校の中で学校図書館はどうあるべきか。」ということも考えていかなければならないと思います。(ちょっと難しいかもしれませんが。)

物事は一つじゃない。物の見方はたくさんあってどれを取るかは最終的には自分の判断ということ。また、その判断が正しいか、正しくないかを自分なりに確認する為にも、更に想像力や判断力を鍛えてゆく必要があり,その為には本を読むことが一番だと私は思います。

今回は、司書教諭・学校司書という名称や活動についてお話をして頂きました。

数年前から学校図書館法が改正され、2014年から努力義務ながら、各学校に学校の本を専門に扱う専門職「司書」を置くようにということになり、正式名称として「学校司書」と呼ぶようになりました。

戦前の日本における学校図書館に対する考え方は、図書館は「本が置いてある場所」というくらいで、「どう使わせるか、授業にどう活かすか、子供の情操にどう関わらせるか」ということについて、あまり関心がない時代でした。

当時、日本では「司書」という職業は、正式な職業としてはあまり認められておらず、各図書館でも予算がない、市民も求めない社会情勢があるという状況でした。それに比べ、アメリカでは「司書=Librarian(ライブラリアン)」と呼ばれ、職業としても大学教授と同程度の大きな権威をもつ職業とされていました。

「司書教諭」は、学校図書館法が制定された昭和24年頃から各学校に置くということになっておりましたが、それもまた努力義務でした。この頃はまだ、学校図書館に「司書」という専門の資格を持つ人を置くことが必要という概念が乏しく、また、強制義務もありませんでした。

「司書」という専門職が理解されないままの体制が続きました。それでも学校司書の研究会はずっと頭を抱えながらも学校司書の重要性について発信し続けました。そしてとうとう文科省が重い腰を上げ、「生きる力を身につけさせる為には読書が大事だ」という方針を打ち出しましたが、学校図書館に大きな改革はありませんでした。そのような中、1997年から、12学級以上の生徒数を持つ学校には「司書教諭の設置」を義務付けるというように学校図書館法が改正されたのです。

しかしながら、司書教諭が専任で置かれることは珍しく、教科担当や担任、部活の顧問などとの兼任で置かれることが多いようです。司書教諭の仕事は、主に生徒に対して教育内容の充実・定着を図ることと、生徒の健全な教養の育成にあります。そのため司書教諭は、教員の要望に応じて授業展開に必要な書籍等を選択し提供する等のサポートを行います。さらに、2015年の法改正により学校図書館には専任職員として「学校司書」を設置すること(努力義務)となりました。「学校司書」は、「司書教諭」に協力して教職員や生徒をサポートする役目を担うとともに、学校図書館の管理運営全般を行います。具体的には、館内の装飾をしたり、どのような本を買うか(選書)、買った本に図書館の蔵書とするための装備を行うなど、生徒や教職員が利用しやすい図書館をめざすことが「学校司書」の重要な仕事になります。

今回の取材を通して、私たちが図書館を訪れる際には身近な「司書」のお仕事について知ることができました。

普段、私たちが図書館に立ち寄る時には本を手に取ることばかりに気持ちがいってしまいがちですが、よりよい環境を作るために心を配ってくださる司書の先生がいらっしゃるということに感謝することを忘れないようにしていきたいと思いました。

長瀬先生、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。